ランドセルを選ぶときに本革が良いのか、合成皮革(クラリーノ)が良いのか悩むところです。
その中で「合成皮革ならカビが生えないので良い」という話を聞きますが、本当でしょうか?
革のランドセルはカビて合皮はカビない
革製ランドセルは水に弱い
革のランドセルは合皮のランドセルに比べて重い
革のランドセルは長持ちする
この中には正解も不正解もあります。今回のblogではカビについて説明してみましょう!
- ”革のランドセルはカビが生えて、合成皮革はカビが生えない”という勘違い
- カビはなぜ発生するのか?
- 合成皮革がカビない、という幻想
- 重要なのはカビが好まない状況を整えること!
- 革製品のお手入れは?
- ランドセルの場合は?
”革のランドセルはカビが生えて、合成皮革はカビが生えない”という勘違い
革だからカビが生える、合成皮革だからカビが生えない、ということはありません。
合成皮革でもカビが生えるときは生えますし、たとえプラスチックでもカビは発生します。
カビはなぜ発生するのか?
カビは
- ・栄養
- ・温度
- ・湿度
- ・酸素
これらがあると発生します。
例えば、、、
お正月に食べるお餅、ほっておくとかんたんにカビてしまいます。これはカビが好む湿度栄養酸素がすべて揃っているからです。冷蔵庫に入れておくと温度が下がるのでカビが発生しづらくなりますが、それでも1週間冷蔵庫に入れておいたらカビます。
でも、お餅の個別包装パックしているものはカビませんよね?これはパックの中身を窒素で満たしているからです。つまり、カビが発生するのに必要な酸素が入っていないからです。
パックに入っていないお餅などは冷凍庫に保存しましょう。冷凍保存することでカビが好む「温度」「湿度」をシャットダウンできます。
合皮がカビない、という幻想
合皮もカビます。
栄養(例えば食べこぼしなど)があり、酸素があり、湿度が整い、温度がある限りカビは発生します。たとえプラスチックだろうが、合皮だろうがカビは根を生やします。
例えば、海外で生産された合皮の靴などはコンテナで積まれて日本に運ばれてきます。が、コンテナの中、というのは「温度」「湿度」「酸素」も整っています。これだけの条件が整うと合皮でもカビてしまいます。
重要なのはカビが好まない状況を整えること!
「革だからカビる」「合皮だからカビない」というのは間違いです。カビが好む環境になるとすぐにカビは発生します。特に!日本という国は高温多湿の国です。梅雨の時期などはカビが生えやすくなりますね。
だからなるべくカビが好まない環境を整えてあげましょう! ランドセルや鞄などの場合は、
- 1 雨や水分で濡れたらすぐ拭いてあげる
- 2 ランドセルや鞄の中にジュース等をこぼしたら、湿った布と乾いた布で交互に叩いて少しでも染みをなくしておく。
- 3 汗を拭いたタオルや体操着などを入れっぱなしにしておかない。
- 4 使わない革鞄などをタンスにしまいっぱなしにしない。たまに風通ししてあげる。
どれにも言えることですが、湿気と栄養がないようにしてあげることが重要なポイントです。
革製品のお手入れは?
革は布のように見えますがコラーゲン線維の集まりです。お肌のお手入れにクリームを塗るように革の鞄や靴も油分を与えてやらないとカサカサになってきます。しかし、毎日お手入れ必要!ということはありません。
革にとっての一番の大敵は「濡れたまま放置」「タンスにしまいっぱなし」です。たまに、1ヶ月に一度くらい革の手入れ用オイル・クリームなどで拭ってあげてください。はじめての手入れ用オイルやクリームを使う際にはまずは目立たない場所で使って染みなどの問題がないかをチェックしてからお使いください。
手入れをするとより愛着が持てます。
ランドセルの場合は?
本格的なランドセルは本体にコードバン、内装に牛革や豚革などの天然資材を使用しています。
お子様向けなので、お手入れが楽なように、外側のコードバンや牛革部分は特殊コーティングをしている場合がおおいです。
もしお子さんとご一緒にお手入れをする場合はランドセルのマチ部分やベルト部分など普段からよく動く部分に手入れ剤を塗ってあげてください。将来お子さんが靴や鞄を手入れする際にも同じようによく動く部分を手入れをすると革製品が長持ちします。
(文責:M.R.)