革のランドセルは合皮より長持ちするの?
よく「革のランドセルは長持ちするの?合皮は頑丈なの?」という質問を受けることがありますが、今回はこの解説を。
- 革は人類が昔から使っていた頑丈な繊維
- 「皮」と「革」は違う
- 合皮は頑丈じゃないの?
- 革は頑丈なの?
- 合皮も革も「タンスに入れて使わない」が一番の大敵!
革は人類が昔から使っていた頑丈な繊維
昔々、大昔。それこそ石器時代の頃から人類は「皮」を使っていました。動物を食べ、残った皮を毛皮として身にまといました。ですが、このままでは柔らかさがなく、腐ってしまうこともありました。
そこで人類は皮を柔らかく、腐らなく、長持ちで丈夫に出来る「鞣し(なめし)」という技術を開発しました。これにより「皮」は「革」となったのです。
一般社団法人 日本皮革産業連合会が運営しているKid’s Leather Programsの革ってなに?に、わかりやすく書いてあります。
「皮」と「革」は違う
この「鞣し」をする前の状態を「皮」、鞣しをした後を「革」と使い分けます。ですので、
・焼き鳥屋さんにあるのは「とり皮」、メロンパンの外側は「メロンパンの皮」
・革製の靴や鞄は「革靴」「革鞄」
と、同じ発音でも漢字で意味が異なります。下記はヤマザキパンが発売していた「メロンパンの皮焼いちゃいました2」ですが、鞣しをしていないので「皮」の字が正解です。
合皮は頑丈じゃないの?
合皮は「ごうひ」と読みます。合成皮革、略して「合皮」ですね。合成皮革は「編物や織物などの上にポリウレタン樹脂をコーティングしたもの」です。雨風傷などに強いように見られますが、使っていて裂けることや湿気によりカビることもあります。合皮だからって頑丈に扱って良いわけではありません。
革は頑丈なの?
革はコラーゲン線維が内部で複雑に絡み合っています。布を使っていると糸が1本切れただけでほつれてきますが、革はこの複雑な絡みによりほつれることがありません。そのため大変頑丈になっています。
でも!コラーゲン線維が絡んでいるため定期的に油分の補給が必要となります。人間も同じですが、油分が足りないと手がカサカサしてきます。これと同じですね。ですからお手持ちの革鞄や革靴などは定期的にお手入れのクリームや油分を与えてあげてください。
合皮も革も「タンスに入れて使わない」が一番の大敵!
合皮はコラーゲン線維がないので油分補給を必要としません。ですが、長年タンスにしまいっぱなしになると合皮はボロボロになってきます。これは合皮におこる加水分解という現象でいつかはこのようにボロボロになる可能性があります。しまいっぱなしよりはたまにでも使ってあげることで寿命が伸びます。
もちろん、革製品も仕舞いっぱなしは一番の大敵です。しまいっぱなしにすると油分が切れたり、カビがはえることもあります。合皮も革も使ってあげないと寿命が短くなります。
ランドセルに合皮製品も革製品もぜひ使ってあげてください。
(文責:MR)